新入荷の革靴ご案内

100日の試練を乗り越えたレユッカスのレースアップブーツ

今週の入荷商品の中で一際異彩な経緯を持つ商品があります。それがこちら

レユッカスというブランド自体あまり聞き馴染みのない方が多いかと思います。レユッカスはヴィヴィアンウエストウッド、ジャンフランコフェレ、マックス & コー等数々の有名ブランドのシューズデザインを手掛けてきた村瀬由香氏がオーセンティックモダンをテーマに立ち上げたブランドです。製造はイタリアの名門、エンツォボナフェが手掛けております。
レユッカスの靴はメンズウィメンズ両方とも展開していますが華奢でどこか中性的なルックス。本格紳士靴のなかでも独自のアプローチを持った靴が多いですね。今回の商品はレユッカスとしては雄々しい仕上がりになっております。
別注をかけたのは南青山のセレクトショップ「Atelier Historic Instruments」。他のセレクトショップとは異なる路線を行く知る人ぞ知る名店です。

こちらはスティーブマックイーンが映画「大脱走」にて履いていたUS NAVY M-1943 TYPE轡薀侫▲Ε肇屐璽弔鬟ぅ瓠璽犬靴謄譽罐奪スに別注をかけられたもの。納品された際、もっとマックイーンらしくボロボロしたものでも、ということで7月からなんと100日間ビルの屋上に放置。もちろん炎天下、そして雨天だろうが台風が来ても…!!100日の試練を乗り越えたブーツ、それにはもちろん日焼け、毛羽立ち、そして個体にによってはカビも生えたエイジングを果たしたようです。
さすがにこのまま店頭に売り出すのはということでケアを施すことに。シューケアの依頼先はカウンター靴磨きの先駆者であるBriht Hの長谷川氏に依頼。カビ等の除菌、汚れ落としをし最後はミンクオイルスプレーでスエードを保湿保革。
あえてスエードスプレーではなかったのはこの靴の荒々しい雰囲気に合わせての仕上げかとおもいます。コバもあえて補色などはしていないようですね。アテリエさんのブログ記事を拝見するまで私はこのブーツのスエードは少しもちってしているようでなにかなと思っていましたがその疑問がようやく解決しました。

さてこちらの靴の誕生までの前置きが長くなりました(これでも端折ったほうですが...)詳しい仕様を見ていきましょう。
レユッカスY18911modレースアップブーツスエードAtelier別注全体
全体はスエード、コバ周りは既に例の試練にて若干黒ずんでいたり。前述の通りミンクオイルスプレーが元々塗布されていましたので通常のスエードよりさらにもう少し弾力があるような質感。アイレット周りを見ていくとハトメはM-1943 TYPE靴肪藜造縫螢戰奪藩りの仕様。外鳩目、リベットともにゴールドと少し華やかな印象。サビが生えている箇所もあります。
シューレースは本来は派手めな水色のクライミングロープだったのですが、前所有者様が使いやすい色味ように別のシューレースに交換されています。そのシューレースも定価1200円程する蜜蝋引きの紗乃織靴紐(さのはたくつひも)と拘りの仕様になっております。
もしもとのオジリナルの風合いが良いという方はアウトドア用のロープ(パラコード等)から探されると見つかると思います。
レユッカスY18911modレースアップブーツスエードAtelier別注ヒールカップ
ヒールカップまわりは荒々しさが一段とでております。若干スエードの表面の剥がれも起きている箇所もあります。ラフアウト化されたの向こう側の領域です。コバもいい具合に荒れています。このあたりはもう少し綺麗に仕上げようとすれば思えばできますが、それをこの靴に行うのはナンセンスかなと。

ソールの仕様もまた凝っています。
レユッカスY18911modレースアップブーツスエードAtelier別注ソール
ソールはビブラムのコマンドソール(動画ではタンクソールと言い間違えてますね...)ゴールドの外鳩目と相まってよりラギットな印象になります。このコマンドソール、よーくみてみると出し縫いがかかっている縁にかけて小さな模様があります。恐らくこれは滑り止めを目的としているもの。通常のビブラムコマンドソールのラインナップにはない仕様なのでこのソール自体もビブラムに別注をかけたものではないかと思います。

殆ど見えない箇所の説明となりますが製法はブラックラピド製法。こちらも聞き馴染みのないという方が多いかもしれませんが、簡単に説明するとミッドソールをウェルト代わりに使用する製法。個人的にはグッドイヤーよりも普及してほしいと思う製法です。
若干デザインの制約は付きますがそれはグッドイヤーウェルトも同じ。リブテープがない分返りも初めからかえりもよく、履き込んでも中底が交換が可能という点が非常に大きいです。
中物を詰める許容範囲が少ないので、履き込んでも沈み込みが起きにくいのでサイズを攻めすぎないように注意です。
ちなみにこちらのレユッカス、例の試練にてアッパーの縮みが起きておりサイズ表記よりもかなり実際のサイズ感は小さくなっています。アテリエさんの記事でも縮みの旨を明記していましたが小さくても表記よりハーフサイズ行かないほどということでした。今回当店が入荷したモデルはもしかすると縮みの個体差が出たものかもしれません。
おおよそにはなりますがオールデンのバリーラストで7.5〜8D、パラブーツシャンボードで6.5〜7Fを履かれている方が適合するとおもいます。但し先述の通りブラックラピド製法で初めから返りもよく、沈み込みも起きにくいこと、それにブーツということで厚手の靴を履く想定もありますのでどちらかというとバリーラストで7.5、シャンボードで6.5寄りの方のほうがいいかもしれません。

このように非常に挑戦的な一足は保守的な傾向になりがちなミリタリー系のブーツの中でも非常に刺激的。そういう意味ではレユッカスのらしさも現れたんじゃないかなあなんて勝手に思っています。元々リリース自体も絞られていたものでそうそう出回るものではありません。サイズ合いそうな方はお早めにご検討下さいませ。

 

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